影青書房

『銀の蹄鉄のユニコーン』まえがき

この本はまちがいなく子供向けですが、人は自分向けではないものを気に入るのが常ですから、あるいは大人の読者もいるかもしれません。

この本は、人喰い鬼と魔法使いと不思議な獣が大好きなふたりの子供に聞かせてあげたお話からできあがりました。わたしがバロールの息子を創りだしたのが運の尽きで、それ以来、彼をやっかい払いすることはできませんでした。彼は子供たちをたいそう楽しませたものですが、ひょっとするとそれは、彼が七つの大罪ならぬ大徳をもれなく備えた模範的な子供などではなかったからかもしれません。

プーカはアイルランドの民話のほか、アイルランドの湖や流れが渦を巻いている淵など、あちこちに潜んでいるいたずら好きな精で、水のように変幻自在、陽気な心の楽しい仲間ですが、おこりんぼうやけちんぼうにはよく悪さをしかけます。

アンガスはかつてヨーロッパの広い範囲に、彼に捧げられた神殿を持っていましたが、いまは、エロス神や輝かしいアポロ神や、重たい花輪を飾ったディオニュソス神が保ちつづけているような品位をもって、歌やお話のなかに現れます。

エラ・ヤング

ルーナサの祭りの日に
ハルシオン


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